研究課題/領域番号 |
06671443
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
堂前 洋一郎 新潟大学, 医学部, 助手 (80227701)
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研究分担者 |
谷澤 龍彦 新潟大学, 医学部付属病院, 講師 (90227231)
遠藤 直人 新潟大学, 医学部付属病院, 助手 (10251810)
高橋 栄明 新潟大学, 医学部, 教授 (50018397)
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キーワード | 骨原細胞 / 骨形成能 / アルカリフォスフォターゼ |
研究概要 |
骨原細胞に対する薬剤の効果をみるためにまず、ラットにヒトの副甲状線ホルモンを間欠的に投与する実験を行った。副甲状線ホルモンを間歇投与したラット由来の骨髄細胞を培養すると未分化間葉系細胞由来のColony Forming Unit-Fiblolastic(CFU-F)と呼ばれる線雑芽細胞様細胞のコロニー数が増加した。そのうち、骨芽細胞つまり骨原細胞に分化すると考えられているアルカリフォスフォターゼ陽性のCFU-Fの数も増加した。この結果より、ヒト副甲状線ホルモンの間欠的投与によって骨髄中の骨原細胞が増加して、骨形成が亢進して骨量が増加することが推測された。この結果は、Bone Vol.15(1994)に論文として掲載された。 続いて、ヒトにおける骨形成の変動を各年代のヒト由来の骨髄細胞を用いて行った.各年代の骨髄細胞は骨関節手術の際に採取した。収集した骨髄細胞を培養して、CFU-Fを形成させた。そのCFU-Fを用いて、アルカリフォスフォターゼ染色、培養期間の細胞数の変動の計側、β-glyserophosphate添加による石灰化形成の有無を調べた。その結果、10歳代以降20歳代にかけて、アルカリフォスフォターゼ陽性のCFU-Fの数は加齢によって急激に減少するがその後の減少は極めて穏やかであった。 培養期間の細胞数の増加は、若年例では増加のスピードは早いが加齢によって増加のスピードは鈍くなった。石灰化形の頻度は若年でも差はなかった。これらの結果より、ヒトにおける骨形成能は加齢によっても完全に失われる事なく、ある程度は保たれていることが推測された。これら一連のデーターは、1994年10月の第9回、日本整形外科学会基礎学術集会(神戸市)のシンポジウム及び1995年2月の第12回、国際カルシウム及び関連ホルモン学会(ICCRH)(メルボルン)のブレナリー講演で発表し、注目された。
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