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1994 年度 実績報告書

人工関節の固着性に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671471
研究種目

一般研究(C)

研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

高倉 義典  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (40094578)

研究分担者 土肥 祥子  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50155628)
三井 宜夫  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (70145845)
大串 始  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80213669)
キーワードハイドロキシアパタイト / 多孔性アルミナ / 生化学的研究 / 骨形成能
研究概要

多孔性アルミナのimplantを作製した。直径5mm、厚さ約2mmの円柱状で気孔率は約90%のものと、その気孔内にハイドロキシアパタイトをコーティング処理したものの2種類を作製した。これらのimplantにFisher系7週齢のラット大腿骨および脛骨より採取した骨髄細胞を加え、同系7週齢ラットの皮下に移植し、多孔性アルミナ気孔内で起る骨形成過程を観察した。観察方法は、移植後経時的にimplantを摘出し、非脱灰標本を作成して気孔内での骨形成過程、bone-material interfaceを光顕的、電顕的に観察した。さらに生化学的な解析も行なった。対照として骨髄細胞を加えない、implantを移植して比較した。また、骨髄を8週齢、60週齢老ラットおよび24週齢ラットの大腿骨と脛骨より採取し、その有核細胞数1×^7をセラミック(平均気孔径200μm,気孔率60同系(syngeneic)ラットの背部皮下に移植した。移植後、4,8週に摘出しBone Gla Protein(BGP)とAlkaline phosphotese(ALP)活性を測定した。組織標本はアセトンで固定後、ギ酸で脱灰、BGPを抽出した後作成しHE染色した。さらに骨形態計測のための硬組織標本を作成した。骨髄細胞を含まないアルミナ、HAアルミナ単独群ではいずれも骨形成を生じなかった。骨髄細胞混和群ではいずれもその気孔内に骨形成を生じた。その骨形成過程は両者で全く異なり、アルミナでは気孔中心から遠心性に骨形成が進行したのに対し、HAアルミナでは気孔表面から気孔中心に向かって骨形成が進行するいわゆるbonding osteogenesisが観察された。生化学的には4週、8週および26週すべてにおけるALP活性値、BGP値はアルミナに比してHAアルミナが高値を示した。このことよりHAアルミナはアルミナとHAの利点を合わせ持つ骨形成能に優れた材料であり、また、HAアルミナはアルミナに比してより未分化細胞の骨芽細胞への分化を支持する材料として臨床の場においても有用であると考えられた。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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