股関節手術の術前シュミレーションとして、これまではCT画像をもとに三次元ソリッドモデルの生成を行い患部の位置や疾患の程度を評価する方法があった。 本研究は、股関節の三方向の単純X線像からその三次元モデルを生成すること、光硬化樹脂による立体モデルの作成が目的でる。 今回は股関節の大腿骨側のモデル作成を目的に、股関節X線画像から基本となるデータをテレビカメラで抽出しデータベースとしモデル生成を行った 方法としては、三次元座標測定機によるサンプルの三次元データと直交二軸を同時にX線撮影することにより得られた二次元データから、大腿骨側の形状の特徴をとらえた三次元データを算出し、光造形法により生成を行った。 この方法により、従来から行われていた石膏から削り出し法によりモデルを生成する方法よりも、更に現実的な大腿骨側モデルを生成することが可能となった。また光造形法によるモデル生成では、樹脂の種類を変えることで生成モデルに容易に切れ込みを入れること、外観の形状データとともに内部の形状データを組み込むことにより内部情報を有する形状を生成することが可能である。 本法は股関節疾患に対する人工関節置換術の術前検討に有用であるのみでなく、CT画像からモデルを生成する方法に比し簡便で安価な方法と考える。
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