1.骨組織に対するレーザー光の作用特性の検討 (1)骨組織に対するレーザー光分布特性の検討:レーザー光を骨表面へ照射したときの骨内部へのレーザー光作用域をCCDカメラで測定し、映像化する方法を考案し、HeNe、Ar^+、GaAlAsの各レーザーについて実験をを行った。その結果、骨内浸透性は、HeNe>GaAlAs>Ar^+の順であった。Ar^+レーザーの場合は緻密質層では横方向に散乱するが、海綿質層では吸収が著明で浸透が低いことが分った。さらに、レーザービームアナライザーを用用いて骨内レーザー光強度分布の映像化の試験的な実験も行なった。 (2)骨の赤外分光特性の検討:赤外分光分析機FT/IR5300を用いて硬組織の精密な分光分析を行なった。その結果、骨の場合、緻密質では9.67μmに、海綿質では9.64μmに、また歯の象牙質では9.58μmに巨大な吸収スペクトルを確認した。さらに、波長可変CO_2レーザーを用いて硬組織に対する加工効果を検討したところ、上記の分光分析結果に一致して各硬組織ともにその吸収ピーク波長のレーザー最大の加工効果が認められた。 2.未検討のレーザーの骨再生促進効果:チタンサファイヤーレーザーの故障のため、目的としていた実験は繰り越しにせざるを得なくなり、これまでの研究の追試と波長0.53μmのNd:YAGレーザーSHGについてのみ実験的に検討を行った。
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