研究課題/領域番号 |
06671485
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
福田 宏明 東海大学, 医学部, 教授 (40051388)
|
研究分担者 |
中島 知隆 東海大学, 医学部, 助手 (90227794)
浜田 一寿 東海大学, 医学部, 講師 (30129605)
|
キーワード | 腱板断裂 / 腱修復 / In situ hybridization / コラーゲンタイプI / プロコラーゲンα1タイプI |
研究概要 |
1.目的:腱板不全断裂は40歳以上の男女の主として棘上筋腱に発生する有痛性かつ難治性の肩関節疾患である。臨床上しばしば「治らない五十肩」として問題になる。手術的治療を要するか、自然治癒を期待して保存的に治療すべきかを決定する理論的根拠を得るため新生コラーゲン産生の有無を調べた。 2.材料と方法:臨床例の不全断裂腱10例(滑液色面断裂3肩、腱内断裂3肩及び関節全面断裂4肩)のパラフィン切片en blor標本上でin situ hybridization法を用いてコラーゲンタイプIの前駆物質であるprocollagen α1 typeIのmRNAを同定した。In situ hybridizationは22merのoligonucleotide probeをdigoxigeninで標識して行い光学顕微鏡で観察した。 3.結果と結論:(1)腱板不全断裂の10例中8例にprocollagen α1 typeIのmRNAの発現を認めた。(2)不全断裂では完全断裂に比べ長期経過例にも信号が強く発現した。(3)不全断裂では腱内断裂が中枢、末梢方向に進展し続けると思われる。(4)外傷歴のない症例や頻回のステロイドの注入を受けた症例は断裂腱板の自然治癒能力が低いと考えられる。 4.今後のすすめ方:症例数を増加させると同時に腱附着部の変化を追求する予定である。
|