研究概要 |
腱板断裂の実験モデルを作製し、自己修復能の断裂型、部位による違いを明らかにするために以下の実験を行った。【対象および方法】probeの感受性を調べるために、受精後20日目の鶏胎児のアキレス腱部分を使用した。実験モデルは、深胸筋腱に完全断裂、不全断裂の断裂を作製し、1、2、4週で屠殺した。標本は10%中性緩衡ホルマリンで4℃48時間固定し、脱水の後パラフィン包埋し、6μmに薄切した。[Probe]鶏procollagen α1 typeI,IIIのmRNAを識別するprobeとしては、われわれの設計した24merのものをdigoxigeninで標識して使用した。[In situ hybridization法]標本は塩酸処理、酵素処理、acetylation処理の後、hybridizationを行い、NBT,BCIPで発色し、光学顕微鏡で観察した。[Control study]Negative controlとしてはsenseprobeによるhybridization、 RNase treatment、およびconsumption testを行った。【結果】正常アキレス腱周囲組織ではProcollagen α1 typeIのmRNAの信号が見された。残念ながらbackgroundが高かったためα1 typeIIIのmRNAの信号ははっきりと捉えることができなかった。Control studでは信号が消失したのでこれらの信号はProcollagen α1 typeIのmRNAを表しているものと考えられる。腱板断裂モデル例では、信号は各断裂型とも断裂周囲及び断裂側の腱細胞、未分化間葉細胞内に発現した。Procollagen α1 type III用のprobeの設計が急がれる。
|