研究概要 |
Langendorff冠灌流およびworking heart法を用いて、心のβ-受容体に対するカテコラミンによるdown regulationの発生およびグルココルチコイドのup regulationの効果について検討しようというものである。 β-受容体の減少が 1.in vivoでの心機能抑制にどの程度関与しているのか. 2.β-受容体の減少率と心機能抑制の程度との間に相関はあるのか. 3.グルココルチコイドの効果. について解明する. 具体的には (1)カテコラミン長期投与により生じたβ-受容体の減少と左心機能抑制との相関関係 (2)同様のカテコラミン処置を受けた摘出心臓のβ-受容体数,アデニルサイクラーゼの測定 (1),(2)の結果を比較検討することから、in vitroで生じることが証明されているβ-受容体の減少が、in vivoでの心機能抑制にどの程度関与しているかを追求することである。 対象動物であるラットはイソプロテレノール投与群,イソプロテレノールとメチルプレドニゾロン併用群,非投与群の3群に分け、エーテル麻酔後のラットから心臓を摘出し、Langendorff冠灌流及びworking heart法を行い、心機能(心拍数,左室圧,左室dp/dt,心仕事量)を計測した。初期には灌流開始直後、温度差や酸素不足のため不整脈を生じ、安定した拍動を得るのに難渋したが、最近では5〜10分以内に正常な拍動を始め、安定した拍動が2〜3時間見られるようになった。ラット心臓の安定した拍動が3〜4時間持続するようになった時点で、ステロイドホルモン投与群との比較を行うべく実験を継続中である。
|