Langendorff冠灌流およびworking heart法を用いて、心のβ-受容体に対するカテコラミンによるdown regulationの発生の効果について検討した。 wister系雄ラットの皮下にカニューレを埋め込み、イソプロテレノール投与群はイソプロテレノール(10mg/kg/4.8ml生食/day)を6日間持続注入した。対照群は同じようにカニューレを埋め込み、生理食塩水(0.2ml/hr)を6日間持続皮下注入した。その後ラットをエーテルで麻酔し、心臓を摘出しLangendorff冠灌流およびworking heart法を行った。灌流開始直後、温度差や酸素不足のため心拍数はやや低めだが、5〜10分後に正常な拍動を始め、30分をコントロールとし3時間まで心拍数、冠灌流量を計測した。 その結果、対照群の心拍数は生体ラットとほぼ同じ値を示し、その後経時的に減少したが、灌流開始5時間後も一定の値を示し、灌流方法の適正さを示した。イソプロテレノール投与群は対照群と比較し、心拍数が25%、冠灌流量は30%ほど抑制され、down regulationの発生が起きていると考えられた。 以上の結果は、この実験方法でdown regulationの発生が得られることを示唆するものであり、今後ステロイドホルモンのup regulationの効果についても検討する必要があろう。
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