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1994 年度 実績報告書

全身温熱療法の安全性に関する研究-心筋内エネルギー代謝の変化について-

研究課題

研究課題/領域番号 06671520
研究機関鳥取大学

研究代表者

田中 彰  鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (90093608)

キーワード高体温 / 心筋血流量 / 心機能 / エネルギー代謝
研究概要

雑種成犬を用いて、全身麻酔下に体表面加温法、気道内加温法を併用して42℃(一部は致死温まで)まで加温し、高体温下での心機能の変化、冠血流量の変化、心筋内血流量の変化、心筋内エネルギー代謝に及ぼす効果について観察した。
1)心機能:dp/dt Max、その他循環諸値
2)冠血流量
3)心筋内血流量分布:マイクロスフェア法
熱勾配式組織血流計
4)心筋エネルギー代謝:心筋、冠静脈血中のATP、ADP、cyclic AMP(酵素法)
<研究の結果>
42度までの高温環境下では、心拍数、心拍出量は1.9倍に上昇、心拍出量もその結果増加し、著明に増加した全身酸素消費量を代償した。これら循環系の代償を行うべく心仕事量は著しく増加した。一方、高体温下でも心筋の血流量は、左室中隔、自由壁ではやや増加し、心筋内外層比は保たれていた。しかし、右室心筋壁、右房壁、左房壁血流量は増加せず、臨床的にも認めれる右室機能不全傾向の出現がみられこの原因として、右室への血流量の相対的な不足が考えられた。すなわち左室機能については42度までは心筋内層別血流量にも不均衡は起こらないことが明らかになったが、この温度を超えると致死的な循環不全がみられ、同温でも右室機能は心筋内での酸素消費/供給のinbalanceにより低下した。心筋内エネルギー代謝については現在解析途中であるが、現在までの所、同様の所見を得ており、右室心筋への血流増加やβ-遮断剤の投与がこれらの変化を改善するなら、同薬の投与での高体温耐性の増加を期待することが出来るのではないかと考えられる。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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