研究課題/領域番号 |
06671530
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
立石 彰男 山口大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00155102)
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研究分担者 |
中島 研 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (00243668)
藤澤 博亮 山口大学, 医学部, 助手 (50238565)
定光 大海 山口大学, 医学部, 助教授 (10187164)
前川 剛志 山口大学, 医学部, 教授 (60034972)
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キーワード | 脳蘇生 / 蘇生後脳症 / 頭部外傷 / 微小透析法 / ラクテート / 酸化窒素 / 興奮性アミノ酸 |
研究概要 |
集中治療を要する患者の中枢神経モニターに生化学的要素を取り入れるための臨床応用上の問題を明らかにし、そのモニターの臨床的意義を確立することが本研究の目的である。当該年度は従来行われてきた生化学的指標との関連を詳細にみるために、頭部外傷以外にクモ膜下出血、蘇生後脳症(計15例)にも、1)従来の神経モニターとして電気生理学的検査、頭蓋内圧、内頸静脈酸素飽和度、2)血液生化学的項目として:内頸静脈グルコース、ラクテート濃度、3)“脳組織"生化学的項目として:髄液あるいは微小透析法による脳細胞外液中酸化窒素(NOx)、グルタミン酸濃度を測定し検討した。 その結果、1)従来臨床応用している内頸静脈酸素飽和度、ラクテート濃度のみでもある程度重症度を反映するが、神経学的転帰を正確には反映しないこと、2)髄液中グルタミン酸濃度で重症クモ膜下出血や頭部外傷におけるの軽度低体温療法によるexcitotoxicity抑制のある程度の評価が可能であること、が判った。しかし、3)微小透析法による脳細胞外液NOx、グルタミン酸濃度が頭蓋内病態の変動を最も迅速に(例:頭蓋内圧上昇のエピソードに先立って)反映した。本法の安全性については問題はないが、現状では、透析膜の使用期間に約24時間という制約がある。急性期の脳障害リアルタイムのモニタリングとしてはきわめて有望である。
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