研究課題/領域番号 |
06671533
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷口 省吾 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (70179836)
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研究分担者 |
馬場 欽也 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30271117)
渋田 健二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70253531)
中島 秀彰 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20253528)
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キーワード | 麻酔 / 手術侵襲 / サイトカイン / mRNA / 単核球 / 定量的解析 |
研究概要 |
1.手術侵襲時のサイトカイン血中濃度の変動 手術侵襲時のサイトカイン血中濃度の蛋白レベルの解析では、手術開始後1時間目より血中IL-6濃度の有意の上昇を認め、手術終了後にピークを認めた。しかし、IL-1、TNFの血中濃度は測定値以下であり、これらのサイトカイン産生の変化を調べるためにはmRNAレベルの解析が必要と考えられた。 2.サイトカイン・mRNA発現の定量的評価法の工夫 患者の末梢血単核球よりサンプルmRNAを抽出して、内部コントロールとともにRT-PCRを行い、両者の放射活性を対比することによりサンプル中の各サイトカインのmRNA発現量をコピー数として評価する定量的測定法を工夫、確立することができた。具体的には、[1]mRNA抽出法はAGCP法、[2]PCRのサイクル数は25-30サイクル、[3]mRNA発現量の評価ははゲルの切り出しによる放射活性の測定またはイメージ・アナライザー・システムによる測定を行い、さらに、[4]Northern blottt法との比較によるassay systemの検証を終了した。 3、手術侵襲時のサイトカインmRNA発現の変化 この定量的測定法を用いて胃切除術症例における末梢血単核球のサイトカイン・mRNA発現量の変動を解析した。すなわち、手術前、執刀後30分、胃切除時点の3点での測定では、執刀後30分では多くの例で末梢血単核球のIL-1β、TNFmRNAの発現量は手術前に比べ減少していたが、胃切除の時点ではIL-1β、TNFmRNAの発現量の増加が見られた。IL-1αmRNA発現は周術期においてほとんど認められなかった。 4.今後の研究の展開に関する計画 今後、サイトカインのmRNA発現に対する麻酔(硬膜外麻酔、吸入麻酔)の影響、手術侵襲の程度による比較および手術時のサイトカイン産生を制御する薬剤の検討などを行う予定である。
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