研究概要 |
雑種成犬を通常群(N群:Hct38±7%)とデキストラン70【○!R】による等量血液希釈を行った血液希釈群(H群:Hct38±4%→21±4%)の群の2群に分け,ハロセン1MAC (0.86%)麻酔を対照とした。対照の平均血圧の70%を目標にハロセン深麻酔およびニトログリセリンによる低血圧麻酔を行ったさいの呼吸循環動態、冠血流量(CBF)を測定し両群を比較した。ハロセン低血圧麻酔では両群ともCI, LV dp/dt max, LVSWIは有意に低下し、CBFも対照の約60%に減少した。ニトログリセリン低血圧麻酔では、両群ともハロセン低血圧麻酔と同様にCI, LV dp/dt max, LVSWIは有意に低下した。ところが、低血圧中のCBFはN群では変化なかったが、H群は有意に減少した。このためニトログリセリンの冠血流増加作用は血液希釈状態では通常と比べ明確でなく、血液希釈状態での低血圧麻酔用薬物として検討の余地があった。
|