研究課題/領域番号 |
06671554
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
矢萩 真弓 帝京大学, 医学部, 助手 (20211617)
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研究分担者 |
稲田 英一 帝京大学, 医学部, 助教授 (40193552)
岡田 和夫 帝京大学, 医学部, 教授 (30082093)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | アデノシン / 出血性ショック / 冠血管抵抗 / 心筋エネルギーレベル |
研究概要 |
心蘇生と心筋エネルギーレベルとの関係に関する研究計画の一環として、冠動脈拡張作用を持ち、かつ高エネルギーリン酸化合物の原料にもなるアデノシンが、出血性ショックからの心蘇生にどのような効果を及ぼすかについて検討した。 1.雑種成犬を用いて出血性ショックモデルを作成した。自然脱血にて平均動脈圧を35〜40mmHgに維持しながらアデノシン400または200μg/kg/minあるいは生理食塩水を投与した。脱血開始から60分後に薬物の投与を中止して還血を開始し、90分間経過を観察した。その後KC1を静注して心停止とし、速やかに心臓を摘出して心筋内エネルギーレベルの測定を行った。結果は以下の通りである。 (1)出血性ショック時の血行動態に及ぼすアデノシンの効果 アデノシンは出血性ショック時に冠血管抵抗を低下させた。この結果は容量依存性であった。また、出血性ショック時にアデノシンを投与しても、還血後の心パフォーマンスには有意差が認められなかった。 (2)ショック後の心筋エネルギーレベルに及ぼすアデノシンの効果 出血性ショック時にアデノシンを投与しても、還血後の心筋内エネルギーレベルには有意差が認められなかった。 2.生化学的パラメータの途中経過を観察するため、別の犬を用いた出血性ショックモデルに上記と同様の薬物投与を行い、脱血開始から60分の時点で心摘出して心筋を凍結保存し、心筋エネルギーレベルの分析を行った。その結果ショック時の心筋内高エネルギーリン酸化合物濃度は、アデノシン投与によって比較的維持されていた。従って、細胞の生化学的レベルでは還血後もアデノシンによる有意な効果がもたらされている可能性がある。
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