研究課題/領域番号 |
06671574
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
木原 和徳 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40161541)
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研究分担者 |
影山 幸雄 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10211153)
北原 聡史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10186257)
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キーワード | 膀胱癌細胞 / 血管内皮細胞 / 細胞間コミュニケーション / 抗癌剤 |
研究概要 |
血管内皮細胞の細胞間コミュニケーションに対する抗癌剤の効果:5-Fluorouracil(5-FU);血管内皮細胞(ヒト肺動脈由来)に対する増殖抑制は0.1μg/ml以下の濃度では無く、1μg/mlでは約40%、10μg/ml以上では90%以上であった。ICは0.01μg/ml以下では変化はなかったが、0.1μg/mlから1μg/mlの濃度間では有意の低下が認められた。このICの低下は5-FUの除去によりコントロールレベルに回復した。10μg/ml以上では不可逆的なICの抑制が認められた。Doxorubicinおよびcis-diaminodichloroplatinum;5-FUに比し血管内皮細胞のICの抑制が低いという結果を得ており、現在さらに検討中である。 膀胱癌細胞の細胞間コミュニケーションに対する抗癌剤の効果: Testosterone;膀胱癌細胞(JTC-30およびJTC-32)に対する増殖抑制は35μM以下では無く、35-69μM間では30%以下であった。35-69μMの濃度で可逆的なICの抑制が見られた。Estradiol;膀胱癌細胞(JTC-30およびJTC-32)に対する増殖抑制は37μM以上で認められたが、74μMの濃度でも明らかなICの抑制は見られなかった。5-FU;膀胱癌細胞(JTC-30)に対する増殖抑制は 1μg/ml以上で認められ、毒性に近い濃度でICの抑制が見られた。 抗癌剤は比較的低濃度で腫瘍細胞のみならず血管内皮細胞の増殖抑制およびICの抑制を生じるという結果を得、これは5-FluorouracilやDoxorubicinの副作用として広く知られている心血管障害の一因を想定させるとともに腫瘍血管新生障害による抗腫瘍効果および抗癌剤使用による癌細胞の悪性進展の可能性を示唆するものと考えられる。
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