研究課題/領域番号 |
06671576
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石坂 和博 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60168218)
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研究分担者 |
北原 聡史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10186257)
木原 和徳 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40161541)
東 洋 東京医科歯科大学, 医用機材研究所, 助教授 (20134736)
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キーワード | 前立腺 / アンドロゲン / パラクリン / 成長因子 / IGF-II / 培養細胞 |
研究概要 |
イヌ前立腺初代培養において、上皮細胞はジヒドロテストステロン(DHT)および間質細胞培養上清(Stromal Cell Conditioned Medium:SCCM)により増殖が刺激されることが明らかになった。DHTとSCCMの作用は根加的ではなく、作用は同一線上の系における刺激であると思われた。DHTにより間質細胞を刺激してもSCCMの刺激作用は増強されなかった。 SCCMの性状を調べるために各種の細胞成長因子の抗体を加えてみると、抗b-FGF抗体は効果なく、抗EGFまたは抗NGF抗体は時にその作用を減弱させ、抗IGF-II抗体のみが常に減弱させた。前立腺初代培養細胞を得るために用いたイヌ前立腺凍結標本におけるIGF-IIの存在をABC法を用いて抗IGF-II抗体を用いて調べると、間質細胞のみに含まれていた。 以上のように、前立腺肥大症の発症が証明されているイヌにおいて、間質から上皮に作用する、細胞増殖に関するパラクリン作用の存在が示された。その因子としてIGF-IIが含まれると思われたが、その産生に関するアンドロゲンの調節作用および上皮に対する作用でのアンドロゲンとの関係とは明らかではなかた。培養間質細胞中のmRNAおよび培養上清中のIGF-II濃度の変化から現在この点を検討中である。 パラクリン作用による前立腺内の機能調節の系として調べはじめたアドレノセプターのアッセイについては、至適リガンドが決定され、細胞単位のレセプター数を測定、比較する方法を確立できた。アンドロゲンでの変化および、培養上清での効果を、上皮、間質それぞれについて測定中である。
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