研究概要 |
5週齢Lewis雄性ラットを5群に分け、1群はコントロール群で、他の4群は、精索捻転(1080度時計方向回転させ、精巣白膜を陰嚢皮下組織に6-0絹糸にて固定)作製後、4時間、8時間、12時間、24時間後に精索捻転を解除し、陰嚢内に固定した。 術後、5週間目(雄性ラットは10週齢)に10週齢の雌性ラットと交配させ、胎児数、妊娠率を測定した。交配後、雄性ラットの精巣を摘出、Flow cytometryによる精細胞DNA量分布にもとづいたHaploid cell比率の測定を、これまでの筆者らの方法により(Andrologia,22:137-143,1990)施行した。また、精細管直径、精巣上体重量を測定した。ラット屠殺時に心臓穿刺により採血、deep freezeし、下垂体-精巣系の内分泌学的動態を測定した。 その結果、片側精巣回転症による精巣虚血が4時間、8時間となるにつれて成長後の雌ラットとの交配後の胎児数、妊娠率が低下の傾向を示し、さらに12時間を越すと、成長後の妊孕性が有意に低下することが示され、現在、精細胞DNA量の定量的解析ならびに下垂体-精巣系の内分泌動態の解析が進行中である。
|