高浸透圧状態での白血球機能の測定を遊走能、細菌貧食能、細胞内殺菌能、スーパーオキサイド産生能等について測定した。その結果、全ての機能が抑制を受けることが判明した。 さらに、高浸透圧下での白血機能抑制のメカニズムの検討をした。尿素は細胞膜を受動的に通過することができ、種々の細胞内酵素をdenatureすることが知られている。そこで、尿素の白血球機能抑制が直接作用か否かを明らかにするため、白血球を膜成分のみとし、膜上に存在する白血球スーパーオキサイド産生酵素であるNADPH Oxidase活性に及ぼす尿素の影響を検討した。その結果、直接阻害が認められた。さらに、NaClは高濃度で存在すると細胞内イオン濃度を維持するため、Na-K Pumpは活性化しNaイオンを細胞外へ汲み出す必要がある。このNa-K PumpはATPをエネルギー源とするためNaClによる高浸透圧状態では細胞のATP消費がおこると思われる。そこで、NaClによる高浸透圧状態での血球機能抑制とATP消費の関係を明らかにした。
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