• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

腎癌におけるVHL癌抑制遺伝子の解析とそれにもとづく新しい診断,治療の検討

研究課題

研究課題/領域番号 06671605
研究機関横浜市立大学

研究代表者

矢尾 正祐  横浜市立大学, 医学部, 助手 (00260787)

研究分担者 穂坂 正彦  横浜市立大学, 医学部, 教授 (30106330)
窪田 吉信  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10106312)
キーワード腎癌 / VHL病 / 癌抑制遺伝子
研究概要

悪性腫瘍は多段階に発生進展し,その各ステップに複数の癌遺伝子の活性化や癌抑制遺伝子の不活性化が関与していると考えられています。尿路悪性腫瘍でもその癌化のプロセスは全く同様であり,それゆえ個々の腫瘍において癌遺伝子や癌抑制遺伝子の分子生物学的な解析を行うことが,尿路癌の悪性度,浸潤傾向の診断,また治療方針の選択を行う上で今後重要なステップになると考えられます。今回の我々の研究目的は,ヒト腎細胞癌における癌抑制遺伝子,特にVHL遺伝子に焦点を絞り,この遺伝子の変異・異常(mutation)をDNAレベルで解析し,この遺伝子が癌抑制遺伝子としてどの様に腎癌の発生進展に関与しているかを明らかにすることです。我々は現在までに腎癌患者47症例について癌及び正常部よりDNAを抽出し,SSCP-シークエンス法にてVHL癌抑制遺伝子の変異について解析を行いました。その結果clear cell typeの腎癌ではVHL腎癌抑制遺伝子のシークエンスレベルでの異常が22/39例(56%),またヘテロ接合性の消失(LOH)が17/20例(85%)と高頻度に確認されました。一方,non-clear cell typeの腎癌では解析症例が7例と十分ではないが,現在のところVHL遺伝子の変異は全く見られませんでした。以上の結果からVHL癌抑制遺伝子は散発性のclear cell typeの腎癌の発生,進展に重要な働きをしていることが推定されました。今後は1)non-clear cell typeの腎癌症例を追加してさらに解析を進める,2)診断,治療法の開発に役立つような良い実験モデル系を確立する為に腎癌細胞株におけるVHL遺伝子の変異解析を行うことが重要と考えられました。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Taro Shuin et al.: "Frequent somatic mutations and loss of heterozygosity of the von Hippel-Lindau tumor suppressor gene in primary human renal cell carcinomas" Cancer Research. 54. 2852-2855 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi