研究概要 |
【結果】 (1)PGP9.5陽性神経は、陰茎深動脈やラセン動脈の周囲、陰茎海綿体小柱〜白膜下組織に豊富に分布していた。 (2)この所見はFITC(二次抗体)を用いたレーザー顕微鏡による観察でも同様であった。 (3)NPY陽性神経は、陰茎深動脈とその比較的太い枝の周囲に分布しており、陰茎海綿体小柱〜白膜下組織には乏しかった。 (4)CGRP陽性神経は、陰茎海綿体小柱〜白膜下組織に分布していた。 (5)VIP陽性神経は、陰茎深動脈やラセン動脈の周囲、陰茎 海綿体小柱〜白膜下組織に豊富に分布していた。 (6)NADPH diaphorase陽性神経は陰茎海綿体小柱に分布していた。同じ反応は海綿体洞内皮やらせん動脈内皮に認められた。 (7)NOS陽性神経は,NADPH diaphorase陽性神経とほぼ同様に認められた。またNOSが海綿体洞内皮やらせん動脈内皮に認められた。 【結論】 (1)PGP9.5陽性神経を指標にして神経伝達物質の分布を検討できることが判明した。 (2)PGP9.5陽性神経と対比すると、NPY,CGRP,VIP,NOS陽性神経の分布は一様でなく、陰茎深動脈やラセン動脈の周囲、陰茎海綿体小柱〜白膜下組織の各部位が異なる伝達物質により調節されている可能性がある。 (3)白膜下組織には後海綿体小静脈が存在するが、PGP9.5陽性神経、CGRP陽性神経、VIP陽性神経が分布しておりこの血管も神経性に調節されている可能性がある。
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