研究分担者 |
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90101956)
宮川 治美 慶應義塾大学, 医学部, 助手
田崎 寛 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051268)
橘 政昭 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70129526)
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研究概要 |
1.初年度の平成6年度は,研究代表者の所属機関で診断治療された表在性膀胱癌および再発性膀胱癌の新鮮手術材料約30例の腫瘍および正常粘膜を研究材料に用いた.さらに再発例については,初発時のパラフィン包埋材料が利用可能な症例に対して,パラフィンブロックからのDNA抽出を試みた. 2.対象症例30例全て,T1以下の表在性膀胱癌であり,組織学的異型度はG1ないしG2であった. 3.ゲノムDNA抽出はProteinase K処理およびフェノール/クロロホルム抽出によって行なった.パラフィンブロックからは,腫瘍部分を切り出して脱パラを行ない,新鮮材料と同様にフェノール/クロロホルム抽出でゲノムDNA抽出を行なった. 4.p53遺伝子のexon4から9までの範囲をカバーする5対のプライマーを作製した.Polymerase Chain Reaction(PCR)法は94℃3分の初期変性後に94℃1分,60℃1分,72℃2分を計30サイクル行ない,72℃7分のエクステンションを追加し,増幅する条件が至適であった. 5.次にSingle Strand Conformation Polymorphism(SSCP)解析を行う.すなわちOrita(1989)の方法に従い,6%ポリアクリルアミドゲルにて1500V,4-6時間電気泳動を行った後にオートラジオグラフィーをおこない,異常バンドを検出を試みている. 6.次年度にはSSCPで異常バンドを示した症例を用いてのLOH分析,DNA塩基配列決定を行なう予定である.
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