研究概要 |
当該年度は計画通り、下垂体細胞の中から特定の細胞群を選別する方法として抗体を科学的に付着させたバイオビーズの応用を試みたが、結局、我々が従来より用いていたセルソーターの効率を上回るものではなったため、従来のようにセルソーターとレーザー処理により細胞群を選別して実験を行った。アクチビン反応する細胞を検討する前に、従来の下垂体ホルモン放出ホルモンに反応する細胞の競合につき検討を加えたところ、GHRH,TRH,GnRH,CRHそれぞれの放出ホルモンに反応する細胞の率はそれぞれ27,4%,47,6%,13,8%,6,2%であった。またこれらのホルモンのいずれにも反応しない細胞は35,3%であった。また各種視床下部ホルモン反応細胞群間にはかなりの率でオーバーラップが存在することも明らかになった。この実験条件下でアクチビンA,AB,Bの3種類のアクチビン反応性細胞につき検討するとそれぞれに反応する細胞の率は13,9%、9,3%,13,2%であった。またアクチビンA,AB,Bの間には反応細胞に差があるものの反応性を共有しているものが多く存在していた。またそれぞれアクチビンに反応する細胞は多くはGHRHあるいはTRHに反応する細胞つまりソマトトローフあるいはラクトトローフであることが明らかにされた。一方アクチビンのビオチン化の試みは蛍光強度が感度以下のために困難であった。
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