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1995 年度 実績報告書

ヒト精子抗原75kD蛋白質の免疫性不妊発症機序の解明及び避妊ワクチンとしての意義

研究課題

研究課題/領域番号 06671656
研究機関徳島大学

研究代表者

森 英俊  徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40261226)

研究分担者 鎌田 正晴  徳島大学, 医学部, 助教授 (60145018)
キーワード免疫性不妊症 / 精子抗原 / 抗精子抗体 / 避妊ワクチン
研究概要

免疫性不妊症の発症機序を解明していくためには、抗精子抗体の対応抗原の同定が不可欠である。今回我我は、不妊症患者の抗精子抗体と反応し、ラット精子との交差抗原性を有するヒト精子抗原75kD蛋白質及びヒト、ラット、マウスの精子を凝集させるモノクローナル抗体YWK-IIに対応する抗原の細胞外領域に相当する合成ペプチドの内、能動免疫による避妊効果が認められたYAL-198について、以下の実験を行い、いくつかの知見を得た。
1.75kD蛋白質中の不妊症と関連する抗原分画決定のための合成ペプチド作製
ヒト精子抗原75kD蛋白質の既に決定されたアミノ酸配列より、蛋白質の抗原性に最も関係があるとされる親水性の領域を推定し、2つの領域について16残基のアミノ酸より成るポリペプチドをFmoc固相法によって合成した。この2つのペプチドの収量は17mgと15mgで、アミノ酸組成比を測定し、当初の予定したペプチドとほぼ相同であることを確認した。
2.YAL-198に対するモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の作製とそのヒト及びマウス受精系に対する影響の検討
(1)抗YAL-198モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体(IgG分画)を作製し、ヒト精子凝集試験、精子不動化試験及び透明帯除去ハムスターテストを行った。結果はいずれも陰性であった。
(2)マウス受精系及び胚発育に対する影響をみるためマウス体外受精時に抗YAL-198抗体を添加し、受精率胚細胞分割率を測定した。受精率は抗YAL-198抗体群(モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体)と対照群に差はみられなかったが、胚発育に関しては、抗YAL-198抗体添加によって4細胞以上の胚分割を著明に阻害した。以上より、合成精子抗原ペプチドYAL-198の避妊効果は受精障害ではなく、胚発育の阻害である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hirano M.: "Significance of immunoglobulin binding factor as the sperm coating antigen" Proceedings of the 9th Annual Meeting of JSIR. 9. 25-26 (1995)

  • [文献書誌] Takikawa, M.: "Complement inhibiting factor in human seminal plasma and semen analysis" Proceedings of the 9th Annual Meeting of JSIR. 9. 21-22 (1995)

  • [文献書誌] Yamamoto S.: "IL-1α induces inducible nitric oxide synthase in uterine myometrium" Proceedings of the 9th Annual Meeting of JSIR. 9. 67-68 (1995)

  • [文献書誌] Chowdhury N. A.: "Complement-inhibiting activity of human seminal plasma and semen quality" Archives of Andrology. 36. 109-118 (1996)

  • [文献書誌] Takikawa M.: "Inhibiting effect of antibody to synthetic sperm antigen (YAL-198) on development of embryo" Proceedings of the 10th Annual Meeting of JSIR. (in press).

  • [文献書誌] Yamamoto S.: "Demonstration of anti-fertility effect by biological active antisperm antibodies and its failure by sperm-binding antibodies" Proceedings of the 10th Annual Meeting of JSIR. (in press).

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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