研究課題/領域番号 |
06671664
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 善仁 九州大学, 医学部, 助手 (20260698)
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研究分担者 |
佐野 正敏 九州大学, 医学部, 講師 (60206000)
野崎 雅裕 九州大学, 医学部, 助手 (60228319)
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キーワード | エストラジオール / 血管平滑筋 / voltage-clamp法 / Caチャンネル / Gタンパク |
研究概要 |
ウサギ脳底動脈の機械的、電気的特性に対するエストロゲンの急性効果を等尺性収縮記録法、微小電極法およびpatch-clamp法を用いて検討した。エストラジオールは30mMのhighK^+solutionで発生した収縮を用量依存性に抑制した。TEA非依存下では17β-エストラジオールは脳底動脈の静止電位に影響を与えなかった。TEA存在下では活動電位が発生するが、これは100mMのエストラジオールにより完全に抑制された。Whole-cell電位固定法を用いてCa^<2+>チャンネルを通るBa^<2+>電流と、K^+電流に対するエストラジオールの効果を続いて検討した。エストラジオールは用量依存性に前者を抑制したが、後者に対しては変化を与えなかった。エストラジオールのBa^<2+>電流に対する抑制はL-typeCa^<2+>チャンネルのinhibitorであるnicardipineの存在下でも認められた。ピペット内にGTPrSを含んだ条件下ではエストラジオールの抑制効果は増強された。以上よりエストラジオールはnicardipine非感受性のCa^<2+>チャンネル(T-type)を抑制し、その抑制効果はGTP-binding proteinを介したものと思われた。以上が当該年度の成果であるが、今後さらに慢性効果および単一Ca^<2+>チャンネルに対するエストラジオールの急性効果を検討する予定である。
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