研究課題/領域番号 |
06671670
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 俊明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90213595)
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研究分担者 |
山本 弘 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30210553)
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キーワード | 黄体退縮 / structural lutealysis / プロラクチン / マトリックスメタロプロテアーゼ / アポトーシス / プロスタグランジンF_<2α> / フォスフォリパーゼD / 過酸化水素 |
研究概要 |
本研究の研究実績は次の3つに分けられる。まずラット黄体structural luteolysis(SL)のメカニズムとしてのmatrix metalloproteinase(MMP)の活性化とapoptosis、luteolysinであるprostaglandin(PG)F_<2α>のphpspholipase D(PLD)の活性化、ヒト黄体機能に対する過酸化水素のluteolytic effectについてである。SLの発生にはMMP-2の活性化が顕著に認められる事を報告してきたが、このMMP活性をin vivoにおいて調節しているものの一つにtissue inhibitor of metalloproteinase(TIMP)がある。このTIMPをmRNAレベルで検討してみると活動期黄体、functional luteolysis(FL)の黄体に比べてSLの黄体ではTIMP mRNAの発現が著しく減少している事が明らかになった。またこの現象はprolactin(PRL)そのものによってもたらされるのではなく、PRLの低下とそれに引き続く再上昇というSLに特有のPRLの変化によってのみ起こる事が明らかになった。またNick End labeling法でSLの黄体にのみ約3%の細胞にapoptosisが起きている事が明らかになった。一方FLの黄体にはapoptosisは認められなかった。この事よりSLのメカニズムとしてMMP-2の活性の上昇とapoptosisが重要な役割を果たしている事が明らかになった。また培養黄体細胞を使った実験でPGF_<2α>がPLDを活性化する事が明らかになり、黄体退縮にPLDが関与している事が示唆される。ヒト黄体化顆粒膜細胞の培養実験から過酸化水素は黄体細胞の細胞内ATP濃度を低下させるが、これによって細胞が死に向かう事はない。また過酸化水素のcAMP生成抑制作用はこのATP減少によるものではない事を明らかにした。
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