研究概要 |
17日令雌マウスにE_2あるいはDES100μg/kgょ3日間注射した子宮腔内液を採集し、EGFならびにTGF_αをRIAにて測定した。TGF_αの濃度はEGF濃度の約30倍の高濃度認められた。Western blot analysis においても、やはり高濃度のTGF_αの存在が確認された。一つのreceptorにEGFとTGF_αという二つのligandが存在する意味は不明であり、この解明は今後の課題と思われるが、より高濃度のTGF_αが存在することは何らかの意味を持つものと考えられる。Northern blot analysisではエストロゲンによるdose-dependentなtranscriptの増加、6時間以内のmRNAの発現がみとめられた。プロゲステロン、dihydrotestosteron,dexmethasoneでは変化は認められず、エストロゲンに特異的であることが明らかとなった。遺伝子発現のcell typeの検討では上皮に著しい発現を認めた。免疫組織化学による検討でもエストロゲン投与後3時間から上皮に強いTGF_α蛋白の発現を認めた。またTGF_α抗体を投与することにより、エストロゲンによるDNAの合成抑制が認められ、エストロゲンの作用機構にTGF_αが関与していることを強く示す結果が得られた。子宮膜分画とEGFをincubateした実験ではreceptorのリン酸化が認められ、functional receptorの存在が確認された。TGF_αはエストロゲンによるマウス子宮への作用のautocrine/paracrine mediatorであり、このreceptor pathwayは子宮の増殖・分化の重要な調節機構であることが示唆された。
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