研究課題/領域番号 |
06671674
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
梅咲 直彦 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (20106339)
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研究分担者 |
藤野 祐司 大阪市立大学, 医学部, 講師 (00201749)
萩田 幸雄 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00047086)
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キーワード | 子宮内膜間質細胞 / 受精卵成熟促進因子 / 子宮内膜症 / 体外受精・胚移植 |
研究概要 |
卵と精子が出会い、卵管内で受精し、胞胚となり着床する過程で、種々の増殖因子の影響を受けているものと考えられる。その中で卵管由来の増殖因子が重要な役割を果たしていることは既に報告されている。 我々は体外受精、胚移植(IVF・ET)のために有効な培養条件を設定するため、卵管細胞に代わり、採取が容易で、比較的簡易に培養でき、臨床応用可能な子宮内膜に焦点をしぼり、その間質細胞が受精および胚の発育におよぼす影響につき検討を加えた。その結果、子宮内膜間質細胞存在下のマウス体外受精系において、受精率の上昇がみられ、また胚の成熟も促進された。以上より子宮内膜間質細胞も受精、および胚の成熟因子を分泌している可能性が推察され、IVF・ETの前培養に有効な方法になりうる可能性が示唆できた。 そこで次に、不妊の大きな原因疾患になっている子宮内膜症の不妊機序を探るべく、子宮内膜症患者の子宮内膜間質細胞下で同様の検討を行ったところ、受精率および胚の成熟率が低下した。さらに健常人子宮内膜間質細胞を子宮内膜症患者腹水で前処理し、同様の検討を加えると、腹水前処理系で両者の低下が認められ、子宮内膜症の不妊の機序として、腹水中のサイトカインなどにより子宮内膜間質細胞への影響、多分成熟促進因子の産生低下によるものと推察された。 以上の成績は生殖免疫学会、受精着床学会の一般講演、および日本子宮内膜症学会のワークショップで報告した。
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