研究概要 |
母体接点の場におけるサイトカインの分泌ならびにサイトカインの胎盤細胞に与える影響につき検討した。 (1)IL-8が胎盤のcytotrophoblast(C),syncytiotrophoblast(S),Hofbauer cell(Hof),脱落膜のstromal cell(DS),マクロファージ(Mφ),CD16-CD56^<bright>NK細胞、子宮内膜腺上皮より産生されることを明らかにした。 (2)G-CSFがC,S,DS,CD16^-CD56^<bright>NK細胞、子宮内膜腺上皮より産生され、G-CSFRがC,S,DS,子宮内膜腺上皮細胞に発現することを示した。 (3)SCFがC細胞より産生され、そのreceptor c-kitがCに存在することを証明し、さらにSCFがC細胞の増殖を促進することを明らかにした。 (4)HGFが胎盤の間質細胞より産生され、receptor発現を認めるC細胞にparacrineに作用し、その増殖を促進することを証明した。 以上の如く、母子接点の場で多数のサイトカインが産生され、それらが協調して好孕現象が成り立っている一面が明らかとなった。
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