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1994 年度 実績報告書

ヒト胎盤絨毛上皮の血液凝固制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06671677
研究種目

一般研究(C)

研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

飯岡 秀晃  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10183154)

研究分担者 赤田 忍  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (30231806)
キーワードplacenta / brush border / platelet / heparin / ATIII / ADP
研究概要

1)母体血流との直接の接点となる胎盤絨毛上皮刷子縁膜には強力な血小板凝集阻止活性が存在することを既に明らかにしていたが、さらに、このような血小板凝集阻止活性は、血液と接することのない小腸絨毛刷小縁膜には認めず、また、血液と接しない側に存在する膜である胎盤絨毛上皮の基底側膜にも認めないことを明確にした。従って、胎盤絨毛上皮刷子縁膜の果たす血液凝固学的な役割の特異性ならびに重要性を明らかとした。
2)胎盤刷子縁膜を可溶化し、陰イオン交換カラムクロマトグラフィーを用いて分画した結果、ADP分解活性の顕著な分画に一致して、ADP惹起血小板凝集阻止活性を認めることが明確となり、ADP分解活性が胎盤刷子縁膜の有する血小板凝集阻止活性の一機構であることをさらに明らかにした。
3)ヒト胎盤絨毛より分離した刷子縁膜小胞を用いて、その血液凝固阻止活性につき検討した、その結果、刷子縁膜小胞はトロンビン凝固時間をdose dependentに延長し、抗トロンビン活性を有することが判明した。また、刷子縁膜小胞にはトロンビン惹起血小板凝集阻止活性が存在した。刷子縁膜小胞によるトロンビン凝固阻止活性ならびにトロンビン惹起血小板凝集阻止活性は、アンチトロンビンIII存在下では著明に増強された。また、刷子縁膜小胞には、抗トロンボプラスチン活性は認められなかった。以上より、絨毛間腔にて母体血流との直接の接点となるヒト胎盤絨毛上皮刷子縁膜には血液凝固阻止活性が存在し、ヘパリン様活性が関与していることがさらに明確となった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 飯岡秀晃: "胎盤絨毛刷子縁膜の血液凝固制御" 日本産婦・新生児血液誌. 4. 5-6 (1994)

  • [文献書誌] 飯岡秀晃 他6名: "胎盤絨毛刷子縁膜の血小板凝集阻止活性の妊娠経過による変化" 日本産婦・新生児血液誌. 4. 21-22 (1994)

  • [文献書誌] Iioka H.et al.: "Studies on placental inhibition of platelet aggregation of human placental syncytio trophoblast -role of alkaline phosphatase" Placenta. 15. 291-298 (1994)

  • [文献書誌] 飯岡秀晃 他6名: "妊娠時の血小板機能の変化-コレステロールが血小板凝集に与える影響" 臨婦産. 48. 1033-1036 (1994)

  • [文献書誌] 飯岡秀晃 他5名: "胎盤絨毛組織の抗トロンビン活性" 日本産婦・新生児血液誌. 4. 25-26 (1994)

  • [文献書誌] 飯岡秀晃 他4名: "胎盤絨毛組織のADP分解活性の特性" 日本産婦・新生児血液誌. 4. 23-24 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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