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1995 年度 実績報告書

新しい「がん発生蛋白」:癌腹水と胎盤由来純化抗原の特性比較解析と臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 06671681
研究機関北里大学

研究代表者

中居 光生  北里大学, 医学部, 教授 (50050399)

研究分担者 剱持 稔  北里大学, 医学部, 助手 (10205289)
飯野 譲二  北里大学, 医学部, 助手 (30176052)
石川 雅一  北里大学, 医学部, 助手 (40184494)
山内 博人  北里大学, 医学部, 講師 (90152917)
山浦 昇  北里大学, 看護学部, 助教授 (60050621)
キーワード腫瘍関連蛋白 / がん発生蛋白 / 悪性腹水 / 単離 / アミノ酸配列 / カルシウム結合蛋白MRP8 / 腫瘍マーカー
研究概要

妊娠関連蛋白と抗原性を共有する91 kDaの蛋白を悪性中皮腫患者腹水から単離した。本抗原に対する抗体を用いて免疫組織学的手法によってヒト胎盤における本蛋白の組織局在性に焦点を当てて次の様な結果を得た。
ヒト胎盤における91 kDa腹水抗原の免疫反応局在性
1.妊娠前期
終末および幹絨毛の線維網様組織、線維芽細胞、ホフバウアー細胞を含む間質に局在した。免疫染色ではマクロファージ様細胞(胎盤の幹絨毛内のホフバウアー細胞の前駆細胞であると見なされる)にも認められた。本蛋白を含むマクロファージ様細胞が胚外中胚葉あるいは血管に産生の起源を持ち、その後終末絨毛の細胞に遊走すると考えられる。
2.妊娠中期
本蛋白は合胞細胞内の無数の小胞に認められる。これらの小胞とホフバウアー細胞の細胞質の免疫反応性は17週にピークを示した。その後絨毛層のこれらの小胞およびホフバウアー細胞の本蛋白の含有量は中期の末期までに急速に減少した。それとは逆に、胎盤形成中には本蛋白は同時期に絨毛内血管に著しく蓄積された。
3.妊娠満期
本蛋白の最も顕著な局在は内皮細胞を含む胎児血管に証明された。この免疫染色の強度は妊娠中期に於けるよりも明きらかに強い。これとは対照的にひ薄な合胞細胞の母体腔に面した上皮には極めて僅かの免疫染色像が点在した。
結論として、新しい「がん発生蛋白」がヒト胎盤組織内に存在することからそれの産生源の一部位であることを免疫組織学的に証明した。その他の産生部位に付いては不明であるが生化学的に単一の物質として存在することを明らかにし、かつ、組織学的に証明した。がん腹水と胎盤組織内に存在し抗原性を共有する未知の蛋白の特性解析を通して、そこから得られる本蛋白の生理的、病理的な二つの観点からこの物質の機能的役割を更に解明することを意図している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kami, K, Sato, N, Morita, T, Isiwata, I, Ishikawa, M, Nakai, M.: "Immunsocaligation of 91 kDa Ascitic Protein in the Human Placenta" Okajimas Folia Anat Jpn. 72. 227-234 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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