研究概要 |
ビタミンD受容体遺伝子(以下VDR遺伝子)について遺伝子多型が存在することが欧米で報告された。この遺伝子多型が日本人女性において存在するかどうか、また存在するとすればどのような頻度であるか、またその遺伝子多型が骨量と関係するかどうかを調べた。 VDR遺伝子多型の解析にはVDR遺伝子をPCR法で増幅した後、制限酵素Bsm1,Apa1,Taq1を用いてRFLP解析を行った。それぞれの制限酵素で表される遺伝子多型をBB,Bb,AA,Aa,aa,TT,Tt,ttとした。 (1)日本人女性404名について、VDR遺伝子多型の出現頻度を調べた。Taq1遺伝子多型はtt(BB),Tt(Bb),TT(bb)の順に1.5%,20.5%,78.0%であり、またApa1遺伝子多型はAA,Aa,aaの順に10.5%,45.8%,44.2%であった。この頻度は欧米の報告とは異なっていた。 (2)骨密度を測定した113名の女性(平均年齢は53才)について、VDR遺伝子多型との関連をみると、AA,Aa,aaは腰椎骨密度で0.847 ±0.16,0.892 ±0.141,0.923 ±0.153(g/cm2)であり、tt,Tt,TTでは0.808 ±0.013,0.890 ±0.168,0.905 ±0.134であった。しかし各群に有意差は認められなかった。
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