研究概要 |
本年度は子宮収縮のないNO-STRESSの状態でIUGR胎児に臍帯穿刺をおこない、血液ガス、pH,アドレナリン、ノルアドレナリンアデノシン、ヒポキサンチン、尿酸、過酸化脂質濃度を測定し各因子の相関について統計的解析を施行し以下の所見を得た。 1、IUGR胎児における臍帯血中アデノシンおよびヒポキサンチン濃度はコントロール群に比し有意に高値を示したが、尿酸値に有意差は認められなかった。 2、臍帯血中過酸化脂質濃度はIUGR群で有意に上昇していた。 3、臍帯血中ヒポキサンチン濃度および過酸化脂質濃度はIUGR群で有意に高値を示した。 以上よりIUGR胎児は分娩発来より、ハイストレスな環境に対してアデノシン産生を高めることで対応しているが、さらにアシドーシスが、進行するとヒポキサンチンからATPにもどるプリンサルベ-ジシステムが破綻し、オキシゲンラジカルの産生者であるヒポキサンチン濃度が上昇し、スーパーオキシドアニオン等による過酸化反応が上昇することが示唆された。胎児胎盤循環における過酸化脂質の上昇は、生体膜の障害の結果であり、子宮収縮が起こる以前ですでに生体膜の障害が認められたことはIUGR胎児の周産期予後に活性酸素ストレスが関与していると考えられた。
|