研究課題/領域番号 |
06671696
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
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研究分担者 |
杉本 修 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00084822)
辻本 賀英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70132735)
赤尾 幸博 大阪大学, 医学部, 助教授 (00222505)
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キーワード | 子宮内膜 / アポトーシス / bcl-2蛋白 / ホルモンリセプター |
研究概要 |
1.EBウイルスによりトランスフォームされたヒトB細胞株(EB-4A)を用いてbcl-2蛋白の細胞内局在を明らかにした。すなわち細胞分画を用いたWestern Blotの結果から、bcl-2蛋白のバンドは主として核膜に、次いでH分画、L分画の順に認められ、さらに共焦点レーザー顕微鏡や電顕による免疫組織化学の結果からbcl-2蛋白は核膜の外膜、ミトコンドリアや小胞体の膜に局在することが明らかになった。以上の結果からbcl-2蛋白の機能として、核膜および種々の細胞内小器官の膜系を安定化することにより、細胞の寿命の調節に関与することが考えられる。これらの研究成果は、Cancer Res.(54:2468-2471,1994)に掲載された。 2.ヒト子宮内膜におけるbcl-2蛋白の発現を月経周期との関連において明らかにした。すなわちbcl-2蛋白の発現は増殖期後半にピークを持ち、分泌期後半から月経期にはその発現は認められなかった。このようなcyclicな変動はエストロジェン・リセプターの発現の変化とよく一致していた。さらにbcl-2蛋白が認められなくなった分泌期にapoptosisに陥った子宮内膜腺上皮細胞が増加した。すなわち月経発来機序には女性ホルモンによりregulateされたbcl-2蛋白の消長とアポトーシスが深く関与していると考えられた。一方、子宮筋層の平滑筋細胞は性周期を通じてbcl-2蛋白を発現していた。以上の研究成果はThe Lancet(344:28-29,1994)に掲載された。 今後、子宮内膜のアポトーシスについてはbcl-2蛋白の発現以外に、Fas抗原などのアポトーシス誘導因子の発現についてもさらに検討する必要がある。
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