研究課題/領域番号 |
06671705
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 正 東京大学, 医学部(病), 助手 (70251288)
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研究分担者 |
石橋 敏夫 関東逓信病院, 医師 (50212923)
丹生 健一 東京大学, 医学部(病), 助手 (20251283)
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キーワード | 頭頚部癌 / 多段階発癌 / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / P53遺伝子 |
研究概要 |
頭頚部癌および前癌病変の手術標本を用い、ヒトパピローマウイルス(HPV)ゲノムのサザンブロット法による検索およびHPVが細胞内で標的とする癌抑制遺伝子P53の異常をPCR・SSCP法によって検索した。その結果、頭頚部扁平上皮癌にHPV16型のゲノムを11%、P53遺伝子の変異を28%にみいだした。前癌病変といわれる鼻副鼻腔乳頭腫には、HPV6型が14%認められたが、P53遺伝子の変異は1例も認められなかった。ras遺伝子の変異は頭頚部癌および前癌病変の全例において認められなかった。P53遺伝子の変異は初期癌、進行癌の双方に認められ、癌の進行度と検索率の相関関係は認められなかった。 P53遺伝子の変異は初期癌にも認められることから、発癌の比較的初期におこっている可能性が高い。変異陽性者の80%がヘビースモーカーであり、点突然変異のほとんどはDNA塩基のG→Tへの変化であった。タバコのなかの発癌物質による変異の可能性が示唆された。
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