研究概要 |
モルモットをネンブタール麻酔し、気管切開を行った後、中耳骨胞を開け、中耳粘膜を除去し蝸牛骨壁を露出した。蝸牛第2回転の骨を内耳を損傷しないように除去。膜迷路を露出させた。このテクニックはかなり困難であったが、その習熟効果により3匹中2匹において膜迷路を露出させるテクニックを確立した(研究代表者:長谷川誠)。モルモットを固定台(成茂製)の上に固定し、オリンパス実体顕微鏡(SZ6045,TRPT)により蝸牛血管条の血流を色素等を使わずに観察し、これをビデオカメラ(池上通信製,CFO-10)により記録した。測定した血流の解析は、浜松ホトニクス血流測定システムC5003をベースに画像解析プログラムを作成した(研究分担者:田村俊世)。また大腿動脈にカニューレを挿入し血圧を連絡的に測定した。まずモルモットをネンブタール30mg/kgにて麻酔し、ノルアドレナリン250μg/kgを腹腔内に注射し、蝸牛血流の変化を観察した。投与したノルアドレナリンが致死量であったため蝸牛血流は注射直後時上昇したがその後は低下傾向を示した。本年度の研究の主目標は造影剤を使用しないで血流を記録し、それを画像解析により測定が可能であるかどうかという点にあった。今年度の研究結果では、画像解析は一応可能であるが、常に一定の条件下で記録しないと、画像処理したデータの信頼性に欠けるというとが判明した。造影剤を使用しないことにより、より生理的条件に近いデータを得ることを目標としたので、次年度の課題としては、両者の利点、欠点を検討し、レーザドプラ法との比較を行いたい。
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