研究課題/領域番号 |
06671717
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高橋 正紘 山口大学, 医学部, 教授 (30051832)
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研究分担者 |
三浦 正子 山口大学, 医学部・附属病院, 医員
遠藤 史郎 山口大学, 医学部, 助手 (20223688)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 動揺病 / コリオリ刺激 / 空間識 / 起立 / トレーニング / center of pressure |
研究概要 |
1.空間識破綻の観察 a)プリズム酔いと車酔いの感受性の比較:健康成人31を対象として、同一被検者に左右逆転眼鏡装着歩行と車酔いの実験を行った。動揺病重症度はプリズム酔いが車酔いを上回ったが、両酔いの間に弱い相関が見られた。平衡失調の程度もプリズム酔いが車酔いを上回った。プリズム酔いの平衡失調の程度は動揺病重症度と有意の相関を示した。これらより、動揺病感受性の多くは誘発条件に依存するが、固有の感受性も否定できないこと、平衡失調は動揺病重症例により高頻度で起こることが確認された。 b)コリオリ眼球運動の観察:空間識異常が眼球運動に及ぼす影響を調べるために、回転椅子上で被検者5名に前後、左右の頭部傾斜を行わせ、遮眼と裸眼で眼球運動を小型CCDビデオ・カメラで記録した。遮眼条件では前・後傾斜で純回旋性、左・右傾斜で垂直性眼振が短時間観察され、著しい回転感覚が訴えられた。周囲空間の見える裸眼条件では全く異なる眼振が持続的に記録され、異常感覚は訴えられなかった。これらは空間識レベルの速度および加速度の回転ベクトルの合成で説明が可能であった。 c)レール上起立のトレーニング効果:空間識の先鋭化現象として、レール上起立時間に及ぼすトレーニング効果を調べた。開眼と閉眼で幅の異なるそれぞれ3種類のレールを用意し、各2名ずつ計12で調べた。1日30回の起立を行い、60秒を上限として起立時間を計測した。60秒起立が15回以上でトレーニングを中止した。同じレール幅でも著しい個体差が観察された。平均起立時間は非直線的に増加した。30回の起立時間の内訳のヒストグラムを経日的に見ると、閉眼・開眼、レール幅、トレーニング効果の大小を問わず、一定のパターンが認められた。
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