研究課題/領域番号 |
06671725
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
牧野 浩二 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (00145434)
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研究分担者 |
中野 隆之 鹿児島純心女子短期大学, 食物学科, 助教授 (30155783)
河野 浩万 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20204745)
定永 正之 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70271137)
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キーワード | 血管条 / 内耳 / 蝸牛内リンパ腔静止電位 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
今年度は血管条の基底細胞、中間細胞、辺縁細胞と蝸牛内静止電位(EP)の発達過程を調べその陽性電位発生機構を解明し、内耳血管の一時的閉塞下に血管条の血管内皮細胞の細胞内電位と血管条細胞の細胞内電位を測定し如何なる変化が起きるかを調べた。その結果下記の結果を得た。 1.血管条細胞内電位の発達過程 生後1〜6日齢の特に幼若なマウスの血管条においては電極刺入の途中で一度も正電位が出現することなく大きな負電位のみ記録され、その後、正の蝸牛内静止電位(EP)が出現した。生後7日齢のマウスにおいてはじめて血管条内で正電位が記録された。生後10〜15日齢マウスの血管条内では3段階の段階状の正電位を示す様になりEPの上昇と平行してそれぞれの正電位も上昇した。 2.蝸牛内静止電位(EP)と-EPの発達過程 基底回転のEPは日齢5日より上昇を始め17日まで発達し以後一定値となる事が判った。anoxia負荷時の-EPの最低下値は日齢と供に大きくなり日齢14〜16日で最も大きくなりその後日齢20日まで再びやや小さくなり20日以後は一定の値となった。この様にEPと-EPの発達過程は異なるパターンを示した。 3.血管内皮細胞内電位測定 蝸牛壁に電極刺入時、血管条の細胞内電位が階段状に上昇する途中で急激に0mVまで低下し再び高い正電位を示すものがありこれは電極先端が血管条の血管内に刺入されたものと考えられたが血管内皮細胞内の電位は記録されなかった。現在、電極の刺入角度、刺入位置、刺入スピード等を変え、血管内皮細細胞内電位の測定とその電位測定細胞の同定を試みている。
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