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1995 年度 実績報告書

耳下腺腫における発がん遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06671733
研究機関東海大学

研究代表者

安藤 麻子  東海大学, 医学部, 講師 (40101935)

研究分担者 堀内 正敏  東海大学, 医学部, 助教授 (30157060)
キーワードHLA / 耳下腺腫 / INT3 / cDNAクローン / 転座 / マイクロサテライト / 多型性 / 繰り返し配列
研究概要

ヒトの耳下腺腫は、t(6 ; 8)(p21-22 ; q12)の染色体転座の多数の報告があること並びに、int-3遺伝子を高発現したトランスジェニックマウスにおける耳下腺の腫瘍形成の報告から、ヒトの耳下腺の腫瘍化には、我々がHLAクラスII-III領域間に分離したNOTCH3遺伝子(マウスのint-3遺伝子のヒトのホモログ遺伝子であり、INT3と改名)の異常または活性化が、関与している可能性が極めて高い。本研究では、悪性耳下腺腫についてこのINT3遺伝子の変異とその周辺領域の転座や欠失などの異常を分子レベルで解析し、腫瘍化の分子機構を解明することを目的とし、今年度は、INT3遺伝子の周辺領域に位置するマイクロテライトの多型性の解析、及び転座や欠失の解析を行った。すなわち、INT3遺伝子の周辺領域の解析から、この遺伝子の5'上流領域にCTGやATTの繰り返し配列を見いだし、HLAホモ接合体B細胞株DNAでは、このCTGの繰り返し配列に5種類の多型性が認められた。この繰り返し配列の多型性を日本人非血縁健常者100例について解析したところ、R6、R9、R10、R11の4種のアリルが存在し、R9とR10が多い傾向が見られた。さらに耳下腺腫の腫瘍組織においてDNAについて解析し、日本人健常者の結果と比較したところ、耳下腺腫においてCTG繰り返し配列数の顕著な増加や各対立遺伝子頻度に差は認められなかった。また、耳下腺腫の腫瘍組織DNAには、INT3cDNAクローンをプローブとしたジェノミックサザンハイブリダイゼーションによって検出されるような転座や欠失は認められなかった。今後、耳下腺腫の腫瘍組織におけるINT3遺伝子の発現の異常の有無や、HLA領域上の種々の遺伝子をプロープとしたパルスフィールド電気泳堂法などによる、この領域内の転座の可能性の検討と腫瘍化との関連が注目される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Fukagawa, T. et al.: "A boundary of long-range G+C% mosaic domains in the human MHC locus : Pseudoautosomal boundary-like sequence exists near the boundary." Genomics. 25. 184-191 (1995)

  • [文献書誌] Shina, T. et al.: "Isolation and characterization of cDNA clones for Japanese quall (Coturnix japonica) major histocompatibility complex class I molecules." Immunogenetics. 42. 213-216 (1995)

  • [文献書誌] Fukagawa, T. et al.: "Human pseudoautosmal boundary-like sequences : expression and involvement in evolutionary formation of the present-day pseudoautosomal boundary of human sex chromosomes." Hum. Mol. Genet.5. 23-32 (1996)

  • [文献書誌] 堀内正敏 他: "切除不能な頭頚部癌Stage IV症例の治療における癌化学療法の役割" 頭頚部腫瘍. 21. 188-192 (1995)

  • [文献書誌] 安藤麻子 他: "HLA領域のゲノム解析" 細胞工学. 14. 635-644 (1995)

  • [文献書誌] 河田寿子 他: "日本人におけるHLA-DMB遺伝子の多型性の塩基配列の決定並びにPCR-RFLP法による解析" MHC. 2. 10-15 (1995)

  • [文献書誌] 安藤麻子: "遺伝子操作技術マニュアル" 医学書院, 136-147 (1995)

  • [文献書誌] 安藤麻子 他: "Bio Science用語ライブラリー、免疫" 羊土社, 62-64 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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