研究課題/領域番号 |
06671739
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
木下 卓也 関西医科大学, 医学部, 助手 (50177888)
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研究分担者 |
多田 直樹 関西医科大学, 医学部, 助手 (00257932)
金子 明弘 関西医科大学, 医学部, 助手 (00247909)
久保 伸夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (70186435)
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キーワード | 中耳換気 / 中耳腔粘膜 / ガス交換 |
研究概要 |
今回、中動物(ネコ)をもちいて、これまで人において我々が報告してきた、中耳腔粘膜を介した酸素の拡散吸収の存在、また、これらの拡散吸収が中耳腔酸素分圧と周囲組織の酸素分圧の差に依存していることを中耳腔内に各種酸素分圧を有するガスで置換し、その後の中耳腔酸素分圧の変化を測定することで証明した。さらに、全身麻酔下のネコの呼吸状態を変化させこのときの静脈血酸素分圧をモニターしつつ中耳腔酸素分圧を測定したところ静脈血酸素分圧の変化と同期して中耳腔酸素分圧の変化を認めた。 今回の検討により中耳腔ガスは周囲組織との分圧差により拡散吸収が行われ、またさらに呼吸状態など生理的状態の変化によってその分圧にも変化を来したことが明らかになった。この事実から中耳腔ガス分圧、さらに中耳腔圧は呼吸状態など生理的状態に強く影響を受けているものと思われた。 今後中動物(ネコ)で口蓋帆張筋を切断、能動的耳管開大能を廃絶し経耳管的換気がなされないモデルを作成し、中耳腔圧の経時的変化を観察する。従来の吸収説では陰圧形成から滲出性中耳炎に移行すると考えられているが、経粘膜的ガス交換による圧調節のための中耳腔は経耳管的換気がなくても中耳腔圧は大気圧付近に維持されると予想される。またこのような耳管機能廃絶モデルで気密室を利用して相対的中耳腔陽圧、陰圧を負荷し、中耳腔圧の変化をチンパノグラムにて測定することにより、経粘膜的ガス換気で中耳腔圧調節が行われるという点がさらに明らかになる。
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