研究概要 |
1.猿実験緑内障眼視神経乳頭におけるライソゾーム酵素のカテプシンB,Gについて免疫組織化学的に検討した.5頭のカニクイサルについて片眼を反復隅角レーザー照射により緑内障を作成し、他眼を正常コントロール眼とした.正常眼では血管壁周囲、乳頭篩状板前部のグリアのカラム、及び乳頭篩状板以降の視神経線維髄鞘に軽度の陽性染色を認めた.また乳頭篩状板部に軽度から中等度の染色陽性細胞を所々に観察した.実験緑内障眼では乳頭篩状板部、及びその周囲に中等度からかなり強く染色される細胞が観察できた.また強い染色は急性期の障害を受けている視神経軸索付近にも観察された.これらの結果については現在論文が印刷中である. 2.Matrix Metalloproteinaseについては前回の報告のようにフジ薬品工業の抗体は免疫染色で反応を認めなかった為、共同研究を行っている米国イリノイ大学眼科研究所よりカルテット社製の抗体を譲り受け用いて再検討した.パラフィン包埋の実験眼とコントロール眼の視神経乳頭についてStrepto avidin-Biotin(Elite kit)法を用いて免疫染色を行ったが、非常に微弱な反応しか検出できず明かな違いを認めなかった. 3.Matrix Metalloproteinaseの中のMMP-2とその中和酵素であるTIMPについて前回の正常眼視神経乳頭に次いで実験緑内障眼視神経乳頭でもsense(陰性コントロール)とanti-sense(陽性実験)のジゴキシゲニン標識RNAプローブを作成しin situ hybridyzationを行った.両群とも乳頭篩状板において陽性染色所見を認めなかった.
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