1、ラットへのマウス網膜の異種間移植 1)遺伝子組換え操作により、ロドプシン遺伝子とタンデンムにβガラクトシダーゼの遺伝子であるlac-Z遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスの網膜を正常ラット(SDラット)および網膜変性ラット(RCSラット)の網膜下腔に移植した。 2)免疫抑制剤であるタクロリムス(FK506)を術後に投与しなかったラットでは、移植網膜は生着しなかった。 3)タクロリムス投与群では、SDラット、RCSラットともに移植したマウス網膜細胞において、βガラクトシダーゼが発現しており、ロドプシンが正常に出現していることが確認された。 4)しかしRCSラットでは、移植視細胞の形態は正常ではなく、網膜色素上皮細胞の機能不全が移植細胞の生着を阻害していることが示された。 2、網膜変性マウスへのトランスジェニックマウス網膜の移植 1)遺伝的な視細胞の代謝異常によって網膜変性が引き起こされるrd/rdマウス(C3Hマウス)にトランスジェニックマウス網膜の移植を試みた。 2)移植視細胞の生着率は、ラットの場合に比べて著しく低く、移植手技の改善が必要と考えられた。
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