原発性開放隅角緑内障、落屑性緑内障、先天性及び若年性緑内障、血管新生緑内障、ステロイド緑内障、ぶどう膜炎続発緑内障、スタージ・ウエーバー症候群などの全身疾患に続発する緑内障などの多種類の緑内障について、線維柱帯切除術時に線維柱組織を摘出し、固定後、ロビクリルK4Mに冷包埋し超薄切片を作成した。 1.緑内障眼における免疫組織電顕 切片に対し、既知の細胞外基質であるI、III、IV、V、VI型コラーゲン、エラスチン、ラミニン、ビトロネクチン、フイブロネクチン、トロンボスポンジン、ケタラン硫酸、ヘパラン硫酸に対する抗体と各種レクチンを用いて、イムゴールド法にて標識を行い、ウラン鉛染色後、透過型電子顕微鏡にて観察した。その結果、原発性開放隅角緑内障眼の細胞外基質にはエラスチンの増加、落屑緑内障眼には、ガラクトース、マンノース、シアル酸を含む糖残基の増加、先天性及び若年性緑内障眼には、シアル酸を含む糖残基(特にフイブロネクチン)の増加が見られた。 2.In sutu ハイブリダイゼーション手法 原発性開放隅角緑内障に対し、パラフィン包埋した組織片を準備し、ランダムプライマー法でラジオアイソトープを標識したDNAプローブを用いて、オートラジオグラフィーにてmRNAの検出を行ったが、非特異的反応が強く、シグナルが明瞭に認識出来なかった。
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