| 研究概要 |
1.角膜新生血管に対するtecogalan sodiumの影響
血管新生抑制作用を持つtecogalan sodium(DS-4125)の角膜血管新生に対する影響について検討した。家兎眼を用い、角膜新生血管はbasic fibroblast growth factor(bFGF)により誘導し、tecogalan sodiumの影響を調べた。tecogalan sociumは濃度依存性に角膜新生血管を抑制した。
(Ophthalmic Research27:330-334,1995)
2.網膜色素上皮細胞の脈絡膜血管内皮細胞に対する影響
ウシ脈絡膜血管内皮細胞と網膜色素上皮細胞(RPE)とを共培養し、RPEのin vitro血管新生に対する影響を検討した。共培養の初期にはRPEはin vitro血管新生を促進したが、培養後期には抑制した。血管新生促進作用にはvascular endothelial growth factor(VEGF)やbFGFが関与していた。
(Archives of Ophthalmology 113:512-520,1995)
3.vitamine E succinate(VE succinate)の脈絡膜血管内皮細胞に対する影響
VE succinateは培養ウシ脈絡膜血管内皮細胞の増殖を抑制した。VE succinateにプロテインキナーゼC(PKC)刺激薬であるphorbol esterを加えて脈絡膜血管内皮細胞と共培養すると、VE succinateの細胞増殖抑制効果は減弱した。従って、この作用にはPKCの関与が示唆された。
(日本眼科学会雑誌100:777-782,1996)
4.血管新生に対する薬物療法の展望
血管新生抑制薬のうち、近い将来臨床に応用されると思われるものを中心に、その可能性と問題点について解説した。
(眼科38:161-168,1996)
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