研究課題/領域番号 |
06671797
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岩田 光正 日本大学, 医学部, 講師 (60160123)
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研究分担者 |
松田 健 日本大学, 医学部, 助手 (90267063)
越永 従道 日本大学, 医学部, 助手 (70205376)
岡部 郁夫 日本大学, 医学部, 教授 (20059017)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | Apoptosis / 神経芽腫 / 自然消退 / 分子生物学 |
研究概要 |
神経芽腫の自然消退とapoptosisとの関係を分子生物学的に検討した。初年度は神経芽腫のなかでも特に自然消退傾向が強いとされている一才未満マススクリーニング症例を対象とし、最終年度では一才以上の進行例を含めて検討した。さらに、神経芽腫細胞株を用いてapoptosisとの関係が論じられているnerve growth factor (NGF)の培養細胞に対する影響を検討した。 外科的に得られた検体からDNAを抽出し、これを通常のethidium bromide染色したagarose gelにて電気泳動してapoptosisの有無を検討したところ、マススクリーニング症例および進行例ともapoptosisを示した症例は約20%程度であった。つぎにapoptosisの検出感度を上げるためにklenow polymeraseを用い、DNAを^<32>Pにてisotope標識して電気泳動した。その結果すべての症例にapoptosisが認められた。apoptosisの出現程度と腫瘍の進行度とに相関はなかった。さらにflow cytometryを用いて各腫瘍のproliferating index (PI値)を測定したところ、マススクリーニング症例のP1値は進行例のP1値に比し統計学的に有為に低値を示した。これらの結果から、マススクリーニング症例では低増殖能とapoptosisが認められ、増殖能に比しapoptosisの程度が強いと自然消退の方向に進むのではないかと推察された。 加えて本年度はapoptosis導入の基礎実験として神経芽腫培養細胞にNGFを作用させてその影響を検討したが、成績にばらつきが多く結論を得ることができなかった。今後は実験条件を検討する必要があろう。 われわれはこれまでに得られた結果を学会に報告し2編の論文んを発表した。
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