研究概要 |
平成6年度の研究概要 移植肝の加齢による変化を検討するための第一歩として,実験系の確立を行ってきた。 まず,実験環境の整備として既存の手術用顕微鏡装置に加え新規購入したタカギ・OM-5S手術用顕微鏡を並列に配置し,ドナーとレシピエントの手術を平行して行える様にした。これにより,保存時間を短縮出来る環境が整った。 移植のモデルとしてKamataらのcuff techniqueとSun Leeらの門脈吻合法の優劣を比較するために,これらの二つの方法での血管吻合術の習熟を行ってきた。具体的にはWister系成熟ラット(9〜12週齢)を用いて顕微鏡下にドナー肝の採取を行いCuffの作成及びその吻合と門脈-門脈吻合とを行っている。門脈-門脈吻合はその脆弱性のため,技術的困難性がありこれを行うには更に多数の習熟訓練が必要であることがわかった。 現在までのところ,成熟ラット間の移植手技の習熟を行ってきているが,本来の目的の幼若ラットから成熟ラットへの移植技術の獲得には至っておらず,引き続き平成7年度に研究の完遂を目指す。
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