研究課題/領域番号 |
06671815
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
小野 恒子 徳島大学, 歯学部, 講師 (40035514)
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研究分担者 |
太田 房雄 徳島大学, 医学部, 教授 (90035478)
根本 謙 徳島大学, 歯学部, 助手 (10218274)
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199130)
三宅 洋一郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (80136093)
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キーワード | Streptococcus.mutans / PCR / spaP gene / 敗血症 |
研究概要 |
齲蝕原性細菌S.mutansは、口腔より血中に流入し、敗血症や心内膜炎等の疾患を惹起する。その発症のメカニズムを明らかにするためまた本菌感染症の予防を目的として、S.mutans菌体表層抗原AgI/IIの構造遺伝子spaPのDNA配列より特異的oligonucleotide probeを作成し、PCRによる本菌の血流中よりの正確かつ迅速な検出法について検討した。 spaP遺伝子塩基配列に基づくoligonucleotide probeを用いたPCR反応によってS.mutans標準株および臨床分離株は全て約190bpの増幅産物が得られた。一方mutans streptococciの他菌種および他の口腔内レンサ球菌は使用した標準株および臨床分離株はいずれもいかなるPCR産物も得られなかった。したがって、本研究に使用したprimer setによって認識され増幅されるPCR反応はS.mutansに特異的であることが示唆された。また、本反応の検出感度は菌浮遊液の粗DNA標品においては4〜40CFUであり、精製DNAを鋳型とした場合は0.3pgであった。さらに実験的に菌血症を発症させた感染マウスより血液を採取し、上記PCR反応を行ったところ、本菌投与3日後の菌数は100CFU/mlであったが約190bpのPCR増幅産物が認められた。 以上の結果より、口腔レンサ球菌の中で、S.mutansについては、spaP遺伝子内の塩基配列に基づくoligonucleotide primerにより迅速かつ高感度に検出、診断が可能であることが明らかになった。
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