研究課題/領域番号 |
06671822
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
大沢 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747)
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研究分担者 |
陳 榮光 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (00244939)
藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80173459)
野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
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キーワード | 基底膜 / 再生 / 半接着斑 / 表皮 / HSPG / 免疫組織化学 |
研究概要 |
皮膚に凍結・融解処理を施して3日後、表皮は基底膜を真皮上に残して浮き上がり、水泡状を呈した。透過型電子顕微鏡的に基底膜には肥厚部が観察され、半接着斑部のlamina densaと考えられた。再生表皮細胞は基底膜上を移動し、露出した基底膜の細胞側を覆うようになるが、再生細胞は単層で移動するのではなく、数層が互いにデスモゾーム結合をしたまま移動していた。再生表皮細胞の起源は凍結・融解処理部周囲の健丈部、および毛根である。透過型電子顕微鏡用の切片上で抗ヘパランサルフェイト・プロテオグリカン(HSPG)抗体と、コロイダル・ゴールドで標識した二次抗体で反応させると、露出した基底膜の肥厚部、すなわち半接着斑部のlamina densaに強い反応を示した。再生表皮細胞は露出した基底膜と再結合し、半接着斑を形成した。HSPGの免疫反応は再結合後の基底膜の肥厚部においても明らかであり、凍結・融解処理を施す前の半接着斑を再利用して再び再生細胞が半接着斑を形成している可能性を強く示唆した。 再生表皮細胞は、移動中lamina densaに密着することなく、ある程度の距離を保つが、lamina lucidaに電子密度が低い物質が密に存在していることを予想させる。凍結超薄切片法およびネガティブ・スカイニングで表皮基底膜を観察すると、lamina densaは厚く、lamina lucidaは薄く観察された。この事実はlamina lucidaにおける物質の存在を示唆している。
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