研究課題/領域番号 |
06671827
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐々木 崇寿 昭和大学, 歯学部, 助教授 (50129839)
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研究分担者 |
黒岩 美枝 昭和大学, 歯学部, 講師 (90153395)
立川 哲彦 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10085772)
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 破骨細胞 / インテグリン / RGDペプチド / カテプシン / E-64 / 微細構造 / in vitro / in vivo |
研究概要 |
本研究では、破骨細胞におけるインテグリンの局在とその機能を研究した。その結果、ビトロネクチン受容体であるインテグリンαvβ3サブユニットが、破骨細胞の細胞膜全体に局在することが光顕的.電顕的に明らかとなった。特に、従来はインテグリンが破骨細胞の明帯に存在しないと報告されていたのに対し、免疫電顕法によって破骨細胞の波状緑と明帯の両方にインテグリンの存在を見いだした。また破骨細胞と象牙質切片の共存培養系において、坑インテグリン抗体またはリガンドとなるRGDペプチドを添加すると、破骨細胞は波状縁を形成せず、その吸収能も用量依存的に抑制されることが明らかとなった。 また破骨細胞におけるタンパク分解酵素であるカテプシンを免疫組織化学的に検出し、その局在と生理機能を細胞レベルで明らかにした。さらに種々のカテプシンに対する特異的な阻害剤を用い、in vivoおよびin vitroでの破骨細胞の骨吸収能に対する作用を解明した。特にin vitroでは、培養液中にE-64等の阻害剤を種々の濃度で添加し、破骨細胞の細胞構造や吸収窩の形成にどのような影響を与えるかを定性的ならびに定量的に評価した。すなわち固定した破骨細胞と共培養した象牙質切片(骨切片の代わりに用いる)を脱灰後、通法の如くエポキシ樹脂に包埋して透過型電顕で観察した。また一部の培養試料は非脱灰のまま象牙質切片から破骨細胞を剥離し、象牙質切片を乾燥後、反射電子検出器によって吸収窩の形成程度を観察した。さらに反射電子像をもとに、画像処理装置を用いて吸収窩の形成程度を定量的に解析した。これらの一連の方法によって、破骨細胞におけるタンパク分解酵素の細胞内局在が明らかとなり、この酵素が破骨細胞による窩の形成に必須なことが解明された。
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