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1994 年度 実績報告書

コラーゲンの初期石灰化機構に関する高分解能電顕的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671830
研究機関東京歯科大学

研究代表者

見明 康雄  東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00157421)

キーワード異常コラーゲン / ハイドロキシアパタイト / 形成障害 / 高分解能電子顕微鏡 / 結晶格子
研究概要

本年度は、象牙質の正常コラーゲンと異常周期コラーゲンに沈着する結晶について検索を行った。
その結果、正常周期コラーゲンに沈着してくる初期結晶(幅20Å以内)は、極めて薄い板状ないし針状の結晶として捕えられた。しかしながら明瞭な格子像は得られなかった。格子4〜5本分の結晶(幅40Å前後)に関してはある程度の格子像(最大格子幅約8.2Å)が得られたが、その外形は隅角の不明瞭な板状結晶であった。異常周期コラーゲンに関しても、ほぼ同様の結果が得られ、石灰化がコラーゲンの周期構造と関係なく起こる事が確認された。また結晶成長像も観察されたが、一定の大きさ以上には成長しなかった。これは周囲のコラーゲン線維との関係によるものと思われるが、結晶とコラーゲンを同時に観察する事は今のところ出来ていない。
現在、コラーゲンに沈着してくる初期結晶(幅20Å以内)の明瞭な格子像が得られていないので、その結晶を形態的に同定する事は出来ていない。微小領域電子線回折も試みたが、初期結晶は極めて電子線に弱く、明瞭な回折像を得るのは難しいと思われた。しかし観察した結晶の印象から、初期にはハイドロキシアパタイトばかりでなく、オクタカルシウムフォスフェイトの形成も疑われるので、今後はCaとPの定量分析も取り入れ、結晶の同定に努めたい。やや成長した結晶(幅40Å前後)に関しては、明瞭な格子像が得られ、形態的にハイドロキシアパタイトであることが明確にされた。したがって、生体内の結晶は、初めからハイドロキシアパタイトとして形成されるばかりでなく、別の結晶核形成後極めて早期にハイドロキシアパタイトに相変換される可能性も示された。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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