研究課題/領域番号 |
06671832
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
加藤 哲男 東京歯科大学, 微生物学講座, 講師 (00159253)
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研究分担者 |
山中 あゆみ 東京歯科大学, 微生物学講座, 助手 (40231667)
石原 和幸 東京歯科大学, 微生物学講座, 講師 (00212910)
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キーワード | 歯周病 / 歯周病原性菌 / 遺伝子クローニング / 内毒素 / カナマイシン耐性 |
研究概要 |
Porphyromonas gingivalisなどの黒色色素産生性嫌気性桿菌を歯周局所から分離する際、選択培地としてカナマイシンが加えられたものがよく用いられる。しかしこのカナマイシン耐性機構については、詳しく検討されていない。そこでP.gingivalis菌体破砕上清中のカナマイシン不活化能を検討した結果、カナマイシン不活化因子が存在することが解ったので、P.gingivalisからその不活化に関わる遺伝子のクローニングを試みた。P.gingivalis16-1株からの染色体DNAを用いて組換えDNA実験を行いカナマイシン耐性の大腸菌形質転換体を得た。得られたクローンpPG16は、約2-kbの挿入断片を有しており、Southern blotの結果その挿入断片は供試した全てのP.gingivalis染色体DNAと反応した。また、P.gingivalis16-1株の全菌体で免疫して得られたウサギ抗血清とクローンpPG16菌体破砕上清を用いてWestern blot解析を行ったところ約35kDaに反応バンドが得られた。本カナマイシン不活化活性はアセチルコエンザイムAによって促進されることがわかり、カナマイシンをアセチル化することによって不活化していることが示唆された。 歯周病局所からよく分離されるCapnocytophaga菌種の内毒素活性について検討した。免疫生物学的活性として、マウス脾臓細胞を用いてマイトジェン活性及び多クローン性B細胞活性可能を調べ、またヒト末梢血を用いてインターロイキン1産生誘導能について検討した。その結果C.sputigena LPSは比較的強い免疫生物学的活性を示したが、C.ochraceaおよびC.gingivalisのLPSの活性は弱かった。このことよりCapnocytophaga菌種のうち特にC.sputigenaが歯周病に関与している可能性が示唆された。
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