研究概要 |
Treponem denticolaのChymotripsin-like proteaseは本菌の培養が困難であることと可溶化が難しいことから精製は行われていなかった。今回のわれわれの実験からこのproteaseがCHAPSによって可溶化されることがわかった。可溶化された画分を超遠心によって分離し、1%CHAPSを含む20mM Tris-HCl bufferで平衡化したion交換クロマトグラフィーQ sepharose fast flowにapplyし分画すると,proteaseは0.3mMのNaClによって溶出してきた。つぎにこの画分をロトフォアを用いて等電点の違いによって分画するとおよそpH5.0付近に活性が認められた。活性画分を濃縮後ゲル濾過カラムG3000SWXLによって分画を行った。この3つのステップによってproteaseはおよそ12倍に濃縮された。精製されたサンプルをSDS-PAGEによって解析すると、non-reducedでは86kDa付近に2本のバンドが認められた。reducedでは74kDa,45kDa,40kDaの3本のバンドが認められた。これによってchymotripsin-like proteaseが3種のタンパクの複合体の形で存在していることがわかった。また部分精製されたプロテアーゼからN-末端のアミノ酸配列を読み、その配列からプローブを作製し、遺伝子ライブラリーを用いてスクリーニングが可能なレベルまで研究が進展した。
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